SAP S/4HANA Cloud の Public版で使えるFioriアプリのレポート、昔は
「利益センタでフィルタすることはできるけど、利益センタグループでフィルタすることはできなくて不便だな」と思っていました。

しかし気づいたら、グローバル階層を使うことで、利益センタグループでのフィルタ、できるようになっていました。

ここでは、設定手順についてまとめておきます。

この記事は SAP アドベントカレンダー 2023 の12月4日分の記事として執筆しています。

1. 利益センタのグローバル階層を設定する
2. レポートに階層を表示する
3. 利益センタグループを選択する
4. 展開レベルの調整

既存の利益センタグループが設定済みの場合、アプリ「グローバル階層管理」から簡単にインポートできます。

全利益センタが紐づいているYBPHをインポートしてみます。

有効化を忘れがちなので、しっかり有効化ボタンを押して、ステータスが有効になっていることを確認してください。

設定済みの利益センタグループがインポートされ、こういった階層ができています。

今回は「利益センタ – 実績」アプリでやってみますが、操作方法はすべての同じタイプのFioriレポートで共通です。

利益センタの列で右クリックして、階層 ＞階層選択　を選びます。

検索ボタンをクリックすると、設定済みのグローバル階層が表示されるので、YBPH（全利益センタ）を選択します。

このままだと縦に階層が全部出て来て見づらいので、もともとの目的通り「利益センタグループ」を選択してフィルタしたいと思います。

利益センタの列で、右クリックしてフィルタ を選択します。

いきなり階層でフィルタ出来ます。今回はシェアードサービスの利益センタグループを選択してみます。

フィルタできました。

場合によってはそこから下の利益センタが全て展開されていて、やっぱり見にくい…という状態かもしれません。

その場合は、「全圧縮」を選択するか、展開レベルを指定して調節しましょう。

狙った利益センタグループだけが表示されている状態になりました。

必要に応じて、このレイアウトをブックマークとして保存したり、Excelへダウンロードすることが可能です。

階層表示させたときのデフォルトは「複合キー」となっていて、階層が全て連なった表示になります。

例：A000/0106/A000/YBPH/0YBH119

「非複合キー」に切り替えると、その利益センタグループや利益センタ単品のコードで見れます。

例：0YBH119

すっきり

利益センタグループの指定が出来ない、と思っていたのはもう4年くらい前なのですが、最近までグローバル階層で階層表示できることには気づいていても、フィルタで選択できることにはまったく気づいていませんでした。思い込みってこわい。

ありがたいことに、S/4HANA Cloudの機能はどんどんアップデートしていくので、随時キャッチアップしていかねばなあ、と改めて思いました。