本ブログでは、SAP Datasphere (以下、「Datasphere」)を使ってモデリングを行い、SAP Analytics Cloud (SAC) でデータを可視化する一連の操作について解説します。
今回は「モデリング」の操作方法について解説します。
まず、モデリングに関連したBI/データウェアハウス用語について整理していきましょう。
ディメンションは分析軸となる列のことを言います。図のグラフ中の「製品ごとの売上」の「製品ごと」にあたるものが分析軸になります。
例としては、地域、国、都市、製品ライン、 製品カテゴリ、製品、販売組織、事業部、販売店、得意先などがあります。
メジャーは分析すね対象の数値の列のことを言います。図のグラフ中の「製品ごとの売上」の「売上」にあたるものがメジャーになります。
例としては、売上、利益、数量、価格、値引率、時間、距離などがあります。
ディメンション(分析軸)が含まれているテーブルまたはビューのことを「ディメンションテーブル」または「ディメンションビュー」と呼びます。略して「ディメンション」と呼ばれることもありますが、分析軸としてのディメンションなのか、テーブル/ビューとしてのディメンションなのか、文脈/会話の中で判断していく必要があります。
「マスターテーブルを元に作成されるオブジェクト」と憶えておくと理解しやすいかと思います。
数値メジャーが含まれるテーブルまたはビューのことを「ファクト(テーブル/ビュー)」と呼びます。
「トランザクションデータや履歴データが蓄積されているオブジェクト」と憶えておくと理解しやすいかと思います。
下記はディメンションとファクトの例です。
それでは、モデリングの基本操作と設計・開発の流れについて解説します。
基本的な操作の流れは下記の図の通りです。
(1) ディメンションビューの作成
(2) ファクトビューの定義作成
(3) ファクトとディメンションの関連付け
(4) 分析モデルの定義作成
まず、マスターテーブルを元に「ディメンションビュー」を作成します。これはデータの分析軸となる項目を定義します。
次にトランザクションテーブルを元に「ファクトビュー」を作成します。ここではメジャー(分析対象の数値項目)を定義します。
続いて、「ファクトビュー」と「ディメンションビュー」との関連付けを行います。
最後に「ファクトビュー」を利用して「分析モデル」を作成します。「分析モデル」は各レポート/分析要件に応じて複数の分析モデルを作成することを想定しています。
それでは、下記のブログで各操作手順について解説していきます。